設定(せってい)のかえかた

「ひらがなIMEの設定(せってい)」ウィンドウ

　「ひらがなIME」の設定(せってい)は、「ひらがなIMEの設定(せってい)」ウィンドウでおこないます。トップバーのキーボード メニューから[設定(せってい)]をえらぶと、「ひらがなIMEの設定(せってい)」ウィンドウがひらきます。

　「ひらがなIMEの設定(せってい)」ウィンドウには、つぎの３つのタブがあります。

　設定(せってい)した内容(ないよう)は、[OK(オッケー)]ボタンか[適用(てきよう)]ボタンをおせば「ひらがなIME」にすぐ反映(はんえい)されます。

キーボード タブ

　キーボード タブでは、日本語(にほんご)の入力(にゅうりょく)方法(ほうほう)を設定(せってい)します。

　キーボードの打(う)ちかたを「入力(にゅうりょく)方法(ほうほう)」ドロップダウンリストからえらびます。つぎの３種類(しゅるい)からえらべます。

　日本語(にほんご)の文章(ぶんしょう)をキーボードで入力(にゅうりょく)するときは、かな入力(にゅうりょく)とローマ字(じ)入力(にゅうりょく)がよくつかわれています。ローマ字(じ)入力(にゅうりょく)は小学校(しょうがっこう)３年生(ねんせい)から学校(がっこう)でおそわります。かな入力(にゅうりょく)であれば、ローマ字(じ)がわからなくても、つかうことができます。

'nn'をかならず「ん」に変換(へんかん)する

　「ん」をいつも「nn」で入力(にゅうりょく)したいときは、『'nn'をかならず「ん」に変換(へんかん)する』をオンにします。

　ワープロでは、「nn」と入力(にゅうりょく)すると「ん」になる便法(べんぽう)がつかわれてきました。ふたつめの「n」は、日本語(にほんご)キーボードではおしにくい「'」のかわりです。ローマ字(じ)のつづりかたとしては、ただくしありません。現在(げんざい)は、このワープロの方式(ほうしき)をさだめたJIS規格(きかく)は廃止(はいし)されています。

• 参考(さんこう): 『JIS X 4063の廃止(はいし)』。

辞書(じしょ)タブ

　辞書(じしょ)タブでは、漢字(かんじ)変換(へんかん)につかう辞書(じしょ)を設定(せってい)します。「ひらがなIME」は、おとな用(よう)の漢字(かんじ)辞書(じしょ)のほかに、小中高生(しょうちゅうこうせい)用(よう)の辞書(じしょ)を用意(ようい)しています。

漢字(かんじ)辞書(じしょ)

　使用(しよう)する漢字(かんじ)辞書(じしょ)は、[漢字(かんじ)辞書(じしょ)]ドロップダウンリストをひらいてえらびます。学年(がくねん)別(べつ)の辞書(じしょ)は、平成(へいせい)29年(ねん)の「音訓(おんくん)の小(しょう)・中(ちゅう)・高等学校(こうとうがっこう)段階(だんかい)別(べつ)割(わ)り振(ふ)り表(ひょう)」にそって構成(こうせい)されています。学年(がくねん)があがるごとに、学習(がくしゅう)する漢字(かんじ)の数(かず)とともに、辞書(じしょ)に登録(とうろく)されている熟語(じゅくご)の数(かず)もふえていきます。

(2024年(ねん)8月(がつ)時点(じてん))

　辞書(じしょ)は、よみ手(て)の学年(がくねん)などにあわせてえらんでください。中学生(ちゅうがくせい)以上(いじょう)用(よう)の辞書(じしょ)では、人名(じんめい)や地名(ちめい)については、「常用(じょうよう)漢字(かんじ)表(ひょう)」にのっていない漢字(かんじ)も使用(しよう)しています。

個人(こじん)用(よう)辞書(じしょ)名(めい)

　個人(こじん)用(よう)の辞書(じしょ)に登録(とうろく)しておけば、標準(ひょうじゅん)の漢字(かんじ)辞書(じしょ)にない単語(たんご)も変換(へんかん)できるようになります。個人(こじん)用(よう)辞書(じしょ)は、複数(ふくすう)のファイルをつかいわけることができます。[個人(こじん)用(よう)辞書(じしょ)名(めい)]テキストボックスには、利用(りよう)したい個人(こじん)用(よう)辞書(じしょ)のファイル名(めい)を指定(してい)します。はじめは my.dic というなまえになっています。個人(こじん)用(よう)の辞書(じしょ)ファイルは、ディレクトリ ~/.local/share/ibus-hiragana/ のなかに保存(ほぞん)されています。

　個人(こじん)用(よう)辞書(じしょ)ファイルは、[編集(へんしゅう)]ボタンをおすと編集(へんしゅう)できます。ファイルのかきかたについては、このページの「個人(こじん)用(よう)辞書(じしょ)ファイルのかきかた」で説明(せつめい)しています。

おくりがなの「許容(きょよう)」をつかう

　[おくりがなの「許容(きょよう)」をつかう]スイッチをオンにすると、『送(おく)り仮名(かな)の付(つ)け方(かた)』で許容(きょよう)されている基本的(きほんてき)なおくりがなをつかえるようになります。オフにしているばあいは、許容(きょよう)はつかわず、学校(がっこう)でならう本則(ほんそく)だけをつかいます。

例(れい)) おくりがなの「許容(きょよう)」をつかうと、下(した)の表(ひょう)にしめしたような変換(へんかん)ができます。

　「行(い)って」と「行(おこな)って」は本則(ほんそく)のままではふりがながないと区別(くべつ)ができません。ぎゃくに、漢字(かんじ)をよくしっているひとが「落(おと)す」をよみあやまることはありません。和語(わご)（ほんらいの日本語(にほんご)）に漢字(かんじ)をあててかくのは、なかなかむずかしいことです。この手(て)びきでは、和語(わご)はなるべくひらがなでかくようにしています。

入力(にゅうりょく)履歴(りれき)

　変換(へんかん)候補(こうほ)ウィンドウでは、よくつかう同音(どうおん)異義(いぎ)語(ご)やよみを短縮(たんしゅく)したことばが一覧(いちらん)のはじめのほうにきます。これを初期(しょき)状態(じょうたい)にもどしたいときは、[クリア...]をクリックします。そして、つぎのメッセージボックスが表示(ひょうじ)されたら、[OK]ボタンをおします。

オプション タブ

　オプション タブでは、入力(にゅうりょく)を補助(ほじょ)する機能(きのう)の設定(せってい)ができます。

算用数字(さんようすうじ)をいつも半角(はんかく)で入力(にゅうりょく)する

　オンにすると、かな入力(にゅうりょく)モードでも算用数字(さんようすうじ)を半角(はんかく)で入力(にゅうりょく)します。

英数(えいすう)モードで、'^'を直前(ちょくぜん)の母音(ぼいん)字(じ)に結合(けつごう)する

　日本語(にほんご)を訓令(くんれい)式(しき)ローマ字(じ)でかきあらわすときは、このスイッチをオンにすると便利(べんり)です。

　英数(えいすう)モードで^を入力(にゅうりょく)したときに、直前(ちょくぜん)の文字(もじ)が母音(ぼいん)字(じ)であれば、母音(ぼいん)にサーカムフレックスをつけます。

• 例(れい): a^ → â

　直前(ちょくぜん)の文字(もじ)がサーカムフレックスつきの母音(ぼいん)字(じ)のときに、^を入力(にゅうりょく)すると、直前(ちょくぜん)の文字(もじ)を母音(ぼいん)字(じ)と単独(たんどく)のサーカムフレックスにわけます。

• 例(れい): â^ → a^

英数(えいすう)モードで、'~'を直前(ちょくぜん)の母音(ぼいん)字(じ)に'¯'として結合(けつごう)する

　日本語(にほんご)をヘボン式(しき)ローマ字(じ)でかきあらわすときは、このスイッチをオンにすると便利(べんり)です。

　英数(えいすう)モードで~を入力(にゅうりょく)したときに、直前(ちょくぜん)の文字(もじ)が母音(ぼいん)字(じ)であれば、母音(ぼいん)にマクロンをつけます。

• 例(れい): a~ → ā

　直前(ちょくぜん)の文字(もじ)がマクロンつきの母音(ぼいん)字(じ)のときに、~を入力(にゅうりょく)すると、直前(ちょくぜん)の文字(もじ)を母音(ぼいん)字(じ)と単独(たんどく)のチルダ(~)にわけます。

• 例(れい): ā~ → a~

変換(へんかん)候補(こうほ)の選択(せんたく)にLLMを利用(りよう)する

　オンにすると、文脈(ぶんみゃく)にあった変換(へんかん)候補(こうほ)があらかじめ選択(せんたく)されるようになります。たとえば、「かいとう」を漢字(かんじ)に変換(へんかん)するときは、文脈(ぶんみゃく)に応(おう)じてつぎのように選択(せんたく)されている候補(こうほ)がかわります。

• アンケートにかいとう変換 → アンケートに回答(かいとう)
• 問題(もんだい)のかいとう変換 → 問題(もんだい)の解答(かいとう)

LLMの計算(けいさん)にCUDAを利用(りよう)する

　オンにすると、LLMをつかった変換(へんかん)候補(こうほ)の出現(しゅつげん)確率(かくりつ)の計算(けいさん)にCUDAを利用(りよう)します。PCにNVIDIA社(しゃ)のGPUが搭載(とうさい)されていれば、変換(へんかん)キーをおしてから候補(こうほ)がでてくるまでの時間(じかん)を短縮(たんしゅく)できます。

注意(ちゅうい): CUDAを利用(りよう)するには、NVIDIAのドライバーがインストールされている必要(ひつよう)があります。最近(さいきん)では、UbuntuやFedoraの公式(こうしき)リポジトリから、必要(ひつよう)なドライバーが提供(ていきょう)されるようになってきています。問題(もんだい)なくインストールできていれば、ひらがなIMEの「情報(じょうほう)ダイアログボックス」に使用(しよう)しているGPUのモデル名(めい)が表示(ひょうじ)されます。

LLMを利用(りよう)するために必要(ひつよう)なパッケージをインストールする

　[インストール...]をおすと、LLMをつかうために必要(ひつよう)なパッケージをインストールできます。くわしくは「大規模(だいきぼ)言語(げんご)モデルのインストール」をみてください。

個人(こじん)用(よう)辞書(じしょ)ファイルのかきかた

　個人(こじん)用(よう)辞書(じしょ)ファイルは、つぎのような形式(けいしき)で単語(たんご)を保存(ほぞん)したテキストファイルです。

; セミコロン(;)ではじまる行はコメントです。
; 単語は、「よみ」, 半角スペース, そのあとにスラッシュ(/)で語をかこんで登録します。
きれい /綺麗/
; 先頭にマイナス(-)をつけると、システム辞書内の単語をとりけすことができます。
-きれい /奇麗/
; おなじよみの語は一行にまとめて登録できます。
かいざん /改竄/改ざん/
; おくりがなのある語のよみは、漢字におきかえる部分だけをかいて、水平バー（―）でとめます。
ささや― /囁k/
あお― /碧i/

おくりがなのある語(ご)の登録(とうろく)のしかた

　「ひらがなIME」の辞書(じしょ)におくりがなのある語(ご)を登録(とうろく)するときのかきかたは、つぎのとおりです。「よみ」の部分(ぶぶん)には、漢字(かんじ)におきかえる部分(ぶぶん)だけ、かなでかいて、水平バー（―）でとめます。「語(ご)」の部分(ぶぶん)のかきかたは、以下(いか)のように品詞(ひんし)や活用形(かつようけい)によってかわってきます。

五段(だん)活用(かつよう)の動詞(どうし)

　「語(ご)」の部分(ぶぶん)には、漢字(かんじ)，（もしあれば）活用語尾(かつようごび)のまえまでのおくりがな，活用語尾(かつようごび)の記号(きごう)（kgstnbmrwのどれかひとつ）をかきます。

上(かみ)一段(いちだん)活用(かつよう)/下(しも)一段(いちだん)活用(かつよう)の動詞(どうし)

　「語(ご)」の部分(ぶぶん)には、漢字(かんじ)，活用(かつよう)語尾(ごび)のさいしょの一文字(もじ)（イ段(だん)もしくはエ段(だん)の文字(もじ)）までのおくりがな，活用語尾(かつようごび)の記号(きごう)（1）をかきます。

形容詞(けいようし)（イ形容詞(けいようし)）

　「語(ご)」の部分(ぶぶん)には、漢字(かんじ)，（もしあれば）活用語尾(かつようごび)のまえまでのおくりがな，活用語尾(かつようごび)の記号(きごう)（i）をかきます。

形容動詞(けいようどうし)（ナ形容詞(けいようし)）

　「語(ご)」の部分(ぶぶん)には、漢字(かんじ)と語幹(ごかん)部分(ぶぶん)のおくりがなをかきます。

そのほかの語(ご)のおくりがな

　「語(ご)」の部分(ぶぶん)には、漢字(かんじ)とおくりがなをそのままかきます。